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開放型流通システムが実現できるかどうかは、生・配・販三層に共通する問題意識の形成いかんにかかっている。 個々の企業がいくら革新的システムを構築しても、機能面でトータル流通システムの統合性がなければ流通に果たす役割は発揮できない。

つまり、企業経営の実態をメーカー、卸、小売が相互に理解し、企業間の利害得失や不当性などを客観化することが大切である。 これらを踏まえてこそ、生・配・販三層がともに共有すべき課題や自由競争への指針が見えてくる。
そのためにも、相互に対決を含めて厳しくコミュニケーションすべきである。 コミュニケーションとは、同意を得るためではなく、お互いの相違点を認め合うことである。
合意に至るかどうかは別問題としてとらえなければならない。 その中では機能論や形態論に基づく検討ではなく、これからは経営の実態に踏み込んでの論議が必要である。
それが生・配・販三層に共通する流通新秩序(パラダイム・シフト)という戦略的シナリオを描くことになる。 逆流の時代におけるチャネル政策流通業界における経営コストの管理は、単なる業務上の改善目標ではなく、経営戦略の重要課題である。
このことはI堂グループによってすでに実証されている。 “単品管理”という言葉は、いまや一企業の経営革新上の戦略目標を超え、業界のテーマとしても認識されている。
このように、小売業は経営コストの把握を単品レベルにまで落とし込み、最重要課題として取り組んでいる。 だが、卸売業では経営コストをとらえているところは希である。

コスト管理が可能な小売業は、厳しい状況になれば当然のようにその負担できないコスト増加分を卸売業に対し転嫁してくるだろう。 コスト管理が難しいと嘆く卸売業は、小売業のコスト増のしわ寄せをかぶることになりうる。
これでは、今後、急展開すると思われる“オープンプライス制”にも対応できなくなる。 卸売業は、コストに合わぬ取引になぜ甘んじていられるのか。
小売業は、自ら負担すべきコストをなぜ卸売業に要請することができるのか。 ともに自立した企業同士とは言えぬ“もたれ合い”の実態がうかがわれる。
ここに、欧米から厳しく批判される“集団主義的日本型流通”の不透明性の温床があると指摘できる。 この体質をどう改革するかは、自らの身にメスを入れる勇気と痛みに耐える強靭な意志が必要である。
この痛みに耐える強靭な意志が卸売業にあるかどうかによって、新しい流通の秩序のあり方が決まってくるだろう。

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